Introduction
熱狂的ファンも多いコント職人ジャルジャルの福徳秀介が2020年に小説家デビューを果たした珠玉の恋愛小説『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』。監督を務めるのは映画『勝手にふるえてろ』(17)、『私をくいとめて』(20)、「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」(NHK/23)など、数々の話題作を手がける大九明子。個性的かつリアリティあふれる女性主人公を描くことが多かった監督が、恋愛作品としては初の男性主人公の物語に挑戦。
主人公の冴えない毎日を送る大学生・小西徹を演じるのは、萩原利久。映画化もされたドラマ「美しい彼」シリーズでその人気を確かなものにした若き実力派俳優が、硬軟自在の魅力でスクリーンを支配する。小西が突然恋に落ちるヒロイン・桜田花には、話題のドラマ「不適切にもほどがある!」(TBS/24)で一躍大ブレイクを果たした河合優実。以前からその演技力を高く評価されていた河合が、お団子頭が印象的な孤独を恐れぬ凛とした桜田を好演する。小西のバイト仲間・さっちゃんには、映画『湯を沸かすほどの熱い愛』(16)で注目され、以降多くの話題作に途切れることなく出演し続ける注目の若手俳優・伊東蒼。小西の唯一の友人・山根には映画『さよなら ほやマン』(23)で鮮烈な印象を残した黒崎煌代。今最も話題の俳優を迎え、観客や視聴者から絶大なる共感を呼ぶ大九監督の新境地にして最高傑作が完成した。
物語のキーとなるレジェンドバンド“スピッツ”の楽曲「初恋クレイジー」は、スピッツが楽曲提供を快諾。まるで楽曲自体が登場人物の1人のような、強烈な存在感を放つ。また原作者・福徳の出身校である関西大学が、撮影に全面協力。原作の世界観そのままに、小西の生々しい日常を映し出すことに一役買っている。
Story
思いがけない出会いから始まった、 最高純度のラブストーリー
「私がいないところで、 私のことを思い出してほしかっただけ」
思い描いていた大学生活とはほど遠い、冴えない毎日を送る小西。 学内唯一の友人・山根や銭湯のバイト仲間・さっちゃんとは、他愛もないことでふざけあう日々。 ある日の授業終わり、お団子頭の桜田の凛々しい姿に目を奪われた。 思い切って声をかけると、拍子抜けするほど偶然が重なり急速に意気投合する。 会話が尽きない中、「毎日楽しいって思いたい。今日の空が一番好き、って思いたい」と 桜田が何気なく口にした言葉が胸に刺さる。 その言葉は、奇しくも、半年前に亡くなった大好きな祖母の言葉と同じで、桜田と出会えた喜びにひとり震える。 ようやく自分を取り巻く世界を少しだけ愛せそうになった矢先、運命を変える衝撃の出来事が二人を襲うー。
「泣くことがこんなに痛いって 初めて知った」
小西徹役/萩原利久
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小西徹役/萩原利久
Comment
小西を演じてみて、「本当に難しかったな」というのが率直な感想です。全体でもそうですし、シーン1つ1つを取ってみても常に掛け違えているんじゃないかと考えていました。とことん自由だけど、とことん考える、そんな現場でした。
河合さんと初共演して、すごく強くて、しなやかな方だなと思いました。小西と桜田さんのやりとりはこれっていう正解がなく難しいと思うんですけど、河合さんはしっかりと芯を持って演じられていて、とても頼りにさせてもらっていました。
世の中で見たら小西たちがやっていることはすごく小さなテリトリーの中での話で全員が共感できるものでないかもしれません。ただ共感できない人も小西たちの世界をちょっと覗くような感覚で見てもらえたら楽しんでいただけると思います。
是非みなさん劇場でご覧ください!
Profile
1999年2月28日生まれ、埼玉県出身。2008年にデビュー。ドラマ「美しい彼」(21/MBS)で注目を浴び、以降、映画・ドラマに多数出演。近年の主な出演作に、映画『劇場版美しい彼〜eternal〜』(23)、『ミステリと言う勿れ』(23)、『朽ちないサクラ』(24)、『キングダム 大将軍の帰還』(24)、『世界征服やめた』(25)、ドラマ「月読くんの禁断お夜食」(23/EX)、「真夏のシンデレラ」(23/CX)、「たとえあなたを忘れても」(23/ABC)、「めぐる未来」(24/YTV)、「降り積もれ孤独な死よ」(24/YTV)、連続テレビ小説「おむすび」(24-25/NHK)、「リラの花咲くけものみち」(25/NHK)など。待機作に『花緑青が明ける日に』(声の出演/25年公開予定)がある。